
246 沢木耕太郎。
今から約2年前の2014年の10月末、活動拠点を東京から岡山に移すと決め、事務所と家の荷物は先に送り、東京駅に私はひとり大きなバックパックを背負い、手には小さな手荷物1つ。246はそんな東京から新幹線で岡山に戻るときの時間つぶしのために東京駅のキオスクで購入した本でした。
沢木耕太郎は20数年前の学生の時に読んだ深夜特急以来で、なぜ246をキオスクで手に取ったのかは正直覚えていませんが、たぶん文庫本のカバーの装幀と絵がよかったからだと思います。(深夜特急も最初はアドルフ・ムーロン・カッサンドルの絵に惹かれて購入したのだろうと思います。)
新幹線が東京駅を離れると同時に、246を読み出し、長い東京での思い出、深夜特急、そして20数年前の学生の時の私と、さまざまな思い出や感情が浮かび上がり、交差したのですが、246のとても優しく、穏やかに流れていく文体の日記風エッセイにそれらの感情は癒やされていきました。
最初はただの時間つぶしに購入した246ですが、今でもたまに読み返す思い出深い本になったのです。